科目名 概要 担当教員/ゲスト講師
家族看護学特論  本科目は、家族看護学を理解するための導入科目である。そのため近年のあらゆる健康レベルの家族を取り巻く社会や地域の状況、家族看護に関連のある保健医療福祉制度や施策を理解する。またわが国の看護の歴史のなかで、健康障害を有する患者とその家族のニーズとして捉えられてきたものは何か、それらに対してどのような資源があり、ケアが行われてきたのか、家族看護の発展と応用を理解する。
 これらに基づき、現在の保健医療福祉制度やさまざまな家族環境の中で、臨床の場で果たす家族看護の役割や課題、さらに今後の発展や展開を考え、家族支援専門看護師としての医療組織の中で家族に対する介入、調整能力の視点を養う。これらを具現化するために適宜、各分野の専門家による課題提起を行いながら家族看護のイメージ化を図る。
井上玲子
小林理
菅沼真樹
村瀬暁子

ゲスト講師:
佐藤政代
秋山洋平

家族援助特論  この科目では、専門看護師について学習する。さらに家族支援専門看護師としての実践能力を身につけるため、専門看護師の6つの機能「高度実践」「教育」「コンサルテーション」「コーディネート」「倫理」「研究」の概念と実際を学習する。臨床で活動する家族支援専門看護師が、実践の場面で取り組んだ慢性的な疾患をもつ患者家族への実践事例をもとに、ケアとキュアの視点から介入方法を検討する。
 進め方は、専門看護師の制度的位置づけを理解した後、ゲスト講師の家族支援専門看護師が「研究」を除く5つの機能を概説する。紙上事例をもとに家族支援専門看護師としてアセスメントから援助方法、介入、評価に至るまで解説を行い、5つの機能を理解する。その後、模擬患者を学生間で提示し、ロールプレイを通じて介入を疑似体験し、学生間で評価、分析する。介入、面接場面などビデオ録画等を用いながらフィードバックし、最終的にケアとキュアを統合させながら家族支援専門看護師として介入方法のイメージ化を図り、実践能力の向上をめざす。
井上玲子

ゲスト講師:
北澤隆二
児玉久仁子
園川雄二
三枝真理
高見紀子

家族健康論1  本科目は、家族および家族看護を理解するための基盤となる科目である。家族支援専門看護師が置かれる家族を取り巻くさまざま分野の基盤理論を学習することで、家族支援専門看護師としての卓越した視点を身に付けることができる。前半では、家族看護学を構築する基本的な概念「家族」「家族の健康」「家族と環境」「家族看護」を理解することを目標とする。これを学ぶにあたり、国内外の家族看護学のテキスト、文献をレヴューし「Family」「Family Health」「Family Environment」「Family Nursing」を探究する。
 後半は、家族看護を展開するとき重要な背景理論を学習する。「一般システム論」「発達理論」「危機理論」「セルフケア理論」は、家族看護介入をするうえで最も基盤となる理論である。また家族の構造と機能の観点から「ジェンダー論」を学習するとともに、全体論の観点から健康と家族を捉える「Health as expanding consciousness」について学習する。
井上玲子
今泉郷子
石井美里
若林英樹
杉村篤士
家族健康論2  本科目は、これまでの家族看護の基礎理論・概念・モデルに加えて、ケアとキュアの観点からより対象の健康と生活を構造的、機能的にアセスメントでき、広範囲に臨床で用いられる家族像を構造化し看護の介入方法のための基礎概念を学習する。具体的には家族ヘルスプロモーション、ファミリーセンタードケア、ケアリング、プライマリケア、緩和ケア、臨床倫理を理解し、家族の健康と生活を考え、家族支援の方略を考察する。こうした近接・関連領域の概念・モデルを理解することで、各自が家族支援専門看護師として幅広い観点と卓越した知識、技術の基礎を修得することができる。そうすることで、複雑で対応困難な健康障害を有する患者と家族に対し、自らの専門領域(NICUから小児領域、母性領域、成人・老年領域)を想定しながら入院、在宅、施設に至るあらゆる場で生活する患者家族の健康へのアプローチに活用することができる。そのため本科目では、家族の健康と生活の関連をアセスメントする理論や概念とその活用方法を学習し、家族看護臨床へ統合することを目標とする。 井上玲子
今泉郷子
石井美里
竹下啓
若林英樹

ゲスト講師:
石渡未来
安武綾

家族援助論1  本科目は、家族支援専門看護師として家族看護を提供する際、患者家族を取り巻く人々を理解するための援助方法を学習する科目である。家族看護の支援の対象は、患者のみならず家族成員が健康問題をもち、危機的な状況に直面している人々であるのは当然だが、家族が発達課題を抱えていたり、機能面で潜在的な問題への予防的な介入も含まれる。そのため本科目では家族看護に必要な情報を収集し、家族像を形成するための家族看護モデルを学習し援助方法を習得する。
 主に学習するモデルは家族アセスメントで代表的な国内外のものを含み、ヘルスケアシステム適応した「ハンソン家族看護・介入モデル」「フリードマン家族看護モデル」「カルガリー家族看護モデル」「家族エンパワーメントモデル」「渡辺式家族看護モデル」「家族同心球環境モデル」「家族生活力量モデル」等について、ケアとキュアの視点から事例を用いながら共通性と特異性について探究する。また家族看護の近接領域としての家族療法の基礎について学習し、代表的な家族療法家について特徴を学習する。さらに、アセスメントに必要なジェノグラムの活用方法を学び、すべての家族看護モデルを用いながら援助方法を演習する。
 家族面接の基本的姿勢として「ヘルピングスキル」の概念を理解し、それを用いた面接技法の基礎を学習する。基礎技術を習得し、秋学期からの実践的演習への足掛かりとする。
井上玲子
新井陽子
櫻井大輔

ゲスト講師:
関根光枝
児玉久仁子

家族援助論2  本科目は、家族援助論1での家族セスメントに引き続いて、家族支援専門看護師として家族援助を行う際に用いる家族機能評価尺度を学習し、健康障害を有する家族員と家族への卓越した援助ができるための知識を習得する。家族介入するため活用する「FFFS」「FAD」「Family Apger」「FES」を追究する。
 また家族看護の援助スキルの基礎を学習する。あらゆる患者・家族の発達段階や健康レベルの家族に対して、家族成員である個人、家族構成員間の関係性、さらに家族単位の社会性に焦点をあて、スキルを組み合わせ看護計画-介入-評価の一連の家族看護過程が展開できるようにする。そのプロセスは、家族成員である患者のケアとキュアを大前提に現実的な家族支援であることを念頭に置く。具体的には、患者の臨床病態を十分配慮したうえで家族支援での基礎的な「家族アセスメント・介入」を中心に進め、他職種による家族介入の技法も学習する。さらに在宅看護と家族調整、カルガリー家族看護モデルに基づいた面接技法、遺伝看護を取り入れた「遺伝カウンセリング」など、また他職種の家族介入の実際まで学びをすすめていく。患者・家族への高度看護実践を提供するために家族看護における看護職者の役割と援助姿勢について理解し、看護プログラムの開発、介入の手順、評価へと発展していく。
井上玲子
菅野和恵
阿部正昭
新井陽子

ゲスト講師:
榎本美由紀
角田美穂
成瀬麻夕

家族看護学演習  本科目は、家族支援専門看護師に求められるケアとキュアを統合した看護実践への分析能力、教育方法、研究能力を修得するために設けられており、家族の健康と卓越した家族看護実践のさらなる探究に向け、文献や事例検討会の場を自分で設定しながら、家族の生活支援と援助方法を学習する科目である。前半は慢性期もしくは回復期の健康障害を有する患者とその家族に、専門性の高い家族看護を展開する際の家族看護介入について臨床事例や症例報告を分析し、その方略を学習する。その上で、後半に事例提起するための事例検討会の場を自ら設定し、家族看護過程の展開のプレゼンテーション、討議を通じて家族看護実践を導き出す。事例検討会において複雑で対応困難な問題をもち、健康障害を有する慢性期もしくは回復期の家族を、臨床病態やヘルスアセスメントを通してケアとキュアの視点からアセスメントし、家族看護過程の展開ができる。加えて家族看護過程の展開にはシステムズアプローチ、渡辺式家族アセスメントモデル、家族エンパワーメントモデルを事例に合わせ選択し、家族看護の実践者として適切な看護介入のあり方を提示し、ジェネラリストのスタッフへの教育的な関わりが展開できる能力を養う。 井上玲子
家族看護学実習1  本科目は家族支援専門看護師の役割習得の基盤となるものである。家族支援専門看護師は、家族看護において卓越した専門的能力を持つ実践者であることから、総合的な判断力と組織的な問題解決力を持つことが望まれる。さらに家族支援の専門領域における新しい課題にチャレンジし、現場のみならず教育や政策への課題にも反映できる開発的役割がとれるような、変革推進者としての機能が求められている。本科目では、家族支援専門看護師が勤務する医療機関でその活動を見学し、役割への理解を深め、学習の動機付けとする。家族支援専門看護師が関わる事例をケアとキュアの視点から自らもアセスメントし、家族看護実践を分析する。この見学実習を通じで療養者と家族への支援、組織への働きかけ、チーム形成および教育について理解し、家族支援専門看護師の役割、活動を修得する。 井上玲子
櫻井大輔
小泉織絵
家族看護学実習2  本科目は、家族支援専門看護師が勤務する医療機関で実習指導者の下、複雑で対応困難な問題を持ち健康障害を有する慢性期の患者と家族に対して、エビデンスに基づく高度な専門的知識・技術・判断能力を用いた質の高い「看護実践」を行う。さらに実践を通じて、看護援助法の開発ができるような能力、技術を習得する。また、複雑で対応困難な問題を持ち健康障害を有する慢性期の患者と家族に対して、診断・治療開始段階から他職種(医師・薬剤師・心理士など)と連携をとり、キュアとケアの視点から療養に参画し「調整」する能力、技術を養う。最後に実習施設の中で臨床看護師が抱えている家族看護に関する困難な状況や課題を把握し、「相談」能力を高め、家族の人権擁護を第一とした「倫理」的判断を踏まえた上で高度な家族看護実践ができる能力、技術について学習する。 井上玲子
櫻井大輔
小泉織絵
家族看護学実習3  本科目は、家族支援専門看護師に求められる6つの役割を統合し、複雑で対応困難な問題を持ち健康障害を有する事例あるいは課題について、家族看護の実践スキルをチーム医療へと応用し、教育的機能を展開する実習を行う。そのため集団で考えるカンファレンスを企画・運営し「教育」技術を養う。
 また、病棟看護師を対象とした家族看護に関する症例報告や、家族看護に関する教育場面を企画・実施し、参加者がケアとキュアの視点を統合して理解できる教育場面を提供する。
井上玲子
櫻井大輔
小泉織絵